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サイトを作った

やろうやろうと言っていて結局後回しになってしまっていた自分のサイトをようやく作り上げた。といってもローンチまでの第一宇宙速度を得るのにいたったのは別にケロシンでも液体酸素のおかげでも、スペースXの創業者の気まぐれに危機感を覚えたからでもなく、たんに僕が成人の日のことを完全に忘れてしまっていたことによる。

もともと今年の正月は特になにかする予定もなく、無限に積んでいた所属組織の資料をドキュメンテーションしたり、無限に積んでいた仕事を捌いたり、ノリで同窓に誘われた、友人宅への突撃を敢行したりするつもりであった。

のだが、これらの予定を終えて6日の夕方に帰路についていた首都高速は6号三郷線で、土日と終わったら月曜かあちゃんと起きなきゃなあと思っていたら、その月曜が休みだと知ってしまったのである。

ぽっかりと空いてしまった日中の予定に何か入れないと気が済まないたちで、何かしようと考えていたところに、スヴァールバル世界種子貯蔵庫にしまってしまっていた僕の個人サイトのフレームワークの存在を思い出し、今に至るのだ。

とてもうれしいことに時間に追われる苦しみを享受しながら突貫で作ってしまった。もともと僕は文字が好きであり組版なりタイポグラフィなりを好んでいたから、単にめんどうだってのもあったけれど、必要最小限の情報でミニマルに作ってしまおうと意気込んでフレームワークを改良して、そんでもってできたのが今眼前に展開されている事物である。

もちろんこだわるところにはこだわっている。背景色も本文色もマンセル表色系の無彩色をもとにした色にしたり、文字サイズも行送りもガターも全部1remをもとにしたフィボナッチ数列で整理したり、ブレイクポイントの数値に本質的な意味なんかないんだからと整理した数値をclampで繋いだり、ひたすら細かいところにばかりこだわったものが完成してしまった。

行送りを一括で1.75にして二分四分送りにしてもよかったのだが、もともと僕が無類のグリッドシステム好きで、ローカルに決めた定数の0.75倍をとると困ることの方が多い経験があったので、二分四分はやめにした。2はそもそも広すぎるので却下した。

和文のWebフォントを使おうかはまだ悩んでいる。サイトのレスポンスと相談かなあ。そもそもフォントくらい自前で揃えたい、そういう感情もある。もしそうなるなら自前でフォントのサブセットを実装するまではまだ隣の隣の銀河くらいまで距離がありそうだから、欧文を作ってサイトに足すだろうと踏んでいるからだ。どうせそこまでやりたいことがあるんだからしばらく後回しにしても罰は当たらないだろうというのが腹のくくりようである。

そこそこまえにプレーンのHTML+CSSでサイトを作ったこともあったのだが、その時の僕は遥かに手探りであったし(今もそうではあるが……)、なにより自分自身のサイトではないので、まったく得ている感情が別物である。

ともあれインターネット根城がようやくできたので、今度からはここにもものを認めていこうかなと考えている。